中学受験 理科:お勧めの勉強法と問題集&参考書

中学受験の理科の勉強法は、①小学校の履修内容を先取り学習で早々に終わらせ、②一問一答問題集で基礎の理解を確実に固め、③過去問を使った問題集で実戦練習をすることです。

特に②の一問一答問題集で基礎を確実に押さえる学習が重要で、効率的に理科の成績を上げる近道となります。

以下が中学受験対応のおすすめ理科の問題集と参考書です。下から順に進めて行くように並べてあります。※括弧内の偏差値は四谷大塚基準

 

 

過去問を使った本番対策(仕上げ):日能研 出題頻度順問題集

過去問を使った本番対策問題集の中で、点数の伸びが一番実感できた問題集。

2冊から構成されており、『生物・地学』が植物、動物/人体、地質/気象、天体を、『物理・科学』は力学/運動、電気/熱、水溶液、気体/燃焼をカバーしています。問題は出題頻度順にランクA(最もよく出る)→B(大変よく出る)→C(よく出る)と並んでいます。問題数は『植物』というような一つの分野の中で、ランクAに大問10題、ランクB 大問6題、ランクC 大問5題というイメージ。一周やるだけなら学校に行きながら一冊あたり2週間もあれば十分です。

出題校は開成、筑駒、ラサール、女子学院、灘、桜蔭、雙葉、渋幕、早稲田、慶応、桐朋、逗子開成、武蔵、サレジオ、暁星、学習院、お茶の水、巣鴨、芝、浅野、本郷、開智、聖心、成城、、、と幅広く取られています。超難関校からの出題だからと言って難問ということは全く無く、あくまでどの学校にも頻出される、必ず点を取るべき良問ばかりを抜き出したイメージ。この問題集により頻出だけども出来ていない問題を確実に潰したことにより、目に見えて成績が向上したことが実感できました。

うちの子は下述の問題集をやり込んだ上でこの頻出問題に取り組んだにも関わらず、ランクBとCの正解率は結構低かったです。11月末からひと月半この問題集をやり込んで志望校の過去問に突入した結果、豊島岡の過去問は合格者の平均点を10%以上うわ回り、女子学院(合格者の平均点未公表)は8割以上とれるようになりました ( ̄ー ̄)ニヤリ。

注意点としては、解説はあるものの幾分簡潔に述べられていること。それ故、過去問を使った初めての学習にこの問題集を持ってくるのは避け、解説がより丁寧な下述の問題集の後にやる方が無難です。見かけは下述の問題集よりずっとそっけなく、ひたすら問題のみが掲載されています。『この章の要点ポイント』のような参考書チックなまとめのページは一切ありませんが、この問題集をやるような局面ではそんなもの要らないはずなので全く問題ありません。

  • 対象: 中学受験を目指す6年生
  • 目的: 最終仕上げ
  • 難易度:偏差値55~女子学院レベル迄
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過去問を使った本番対策(初級):中学入試の最重要問題 理科

『同じレベルの問題集を2冊やる必要なく、一冊終われば一段高いレベルの問題集で学習』と元々考えていましたが、問題集が変わると学習した内容ですら解けなかった上の子の体験と、サピックスに通った下の子が毎回とんでもない量の宿題をやらされていた下の子の体験から、最低2冊の問題集で学習しないと、その問題集で目標としているレベル迄到達しないことを身をもって学んでます(理科だけでなく、全ての教科に共通)。

そうは言っても中学受験本番まで時間は限られている中で何をするか?というと『問題集のレベルを上げる』より『学習したレベルで確実に点を取りに行く』方を優先した方が成績向上につながります。

問題数自体少ないですが、下の問題集で基本事項を徹底的にマスターし、これで入試形式の問題をひと通りやっつければ、あとは志望校の過去問にあたりまくれば四谷大塚偏差値55レベルの学校であれば届くはずです。欲を言えばもっといろいろな問題集でいろいろな問題にあたるべきですが、理科と社会は算数や国語程点数配分がないので、贅沢に時間を割くべきでないことに留意する必要があります。

問題は中学入試にでる順に並べられています。例えば上位3つと下位3つを参考までに並べると、上位は動物(58%)、植物(55%)、気体(52%)、下位は最新科学(12%)、磁石・電磁石(16%)、ものの燃え方(18%)となっています。さらに夫々の項目の下に小分類がこれまた出題頻度毎に記載されていて、動物の章における小分類は動物の分類(31%)、昆虫の育ち方(18%)、食物連鎖(13%)、、、と続いています。

中学受験本番に間に合わない(((( ;゚д゚))))アワワワワ、、、という状況になってしまった場合、中学入試における出題率の高い個所から優先して学習し、効率的に点数の上積みを狙う使い方もできます。

  • 対象: 中学受験を目指す6年生
  • 目的: 標準的な入試問題への対策
  • 難易度:偏差値55迄の受験対応

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去問を使った本番対策(初級):でる順 理科

中学受験 理科の勉強法⑥:基礎を固めて後、時間がある限り入試問題にあたる

中学受験受験勉強の第二ステップである、基礎を固める問題集で覚えたことを応用して回答に導き出す為の問題集です。ここまでひと通りの力がついているはず。

ひと通りの基礎学習が終わったら実際の入試問題を使って本番対策に入りましょう。過去問をつかった学習ができる問題集で使いやすい問題集は『出る順』と上述の『中学入試の最重要問題』。『でる順』の方が問題数が絞られていますので(=より重要な問題から学習できる)、こちらから先に学習をするのがお勧めです。

この問題集の良い所は単元ごとに中学入試で出題される頻度が記述してあるので、どこに力を入れて学習をすすめれば点数に直結するのかわかる立て付けになっているところ。

『でる順 理科』のページ構成はでる順毎に章が分かれており、章毎に参考書的まとめが1ページ、重要用語の一問一答式問題が1ページ、その下に出る順に並セクションが並べられています。『中学入試の最重要問題 理科』と構成はほぼ同じ。

  • 対象: 中学受験を目指す6年生
  • 目的: 標準的な入試問題への対策
  • 難易度:偏差値55迄の受験対応

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基礎固めの確認:メモリーチェック 理科

中学受験 理科の勉強法⑤:同じ様な問題を問い方を変えて2度は学習する

ここ迄で中学受験の基礎学習を2冊の問題集を使って学習していますが、学習した内容が本当に身についているかを違う問題集を使い、違う質問でも正解が導き出せるか、メモリーチェックを使って最終チェックを行います。

メモリーチェックは最初の部分が弱点診断テストとなっています。各学習項目ごとに3つの問題があり全部で186問です。3問全部正解であれば、その項目は改めて学習する必要はないでしょう。どこに弱点があるのかを知り、そこだけを強化する学習ができるので効率的です。

弱点診断テストの問題は一問一答方式ですので、ここまでの学習がしっかりできているなら2-3時間で終わる程度です。

弱点診断テストの後ろにあるメインの部分は見開きの左にその章のまとめがあり、右側に問題が記載されています。算数や社会のメモリーチェックと全く同じページ構成です。

中学受験における基礎学習の最終チェックに使うのに良い問題集ですが、基礎学習を行うメインの問題集として使うには問題数が少なすぎます。

  • 対象: 中学受験を目指す6年生
  • 目的: 基礎学習の最終チェック
  • 難易度:偏差値50迄の受験対応
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基礎学習(発展): 理科コアプラス

中学受験 理科の勉強法④:基礎となる頻出問題は確実にマスターする

↓の『受験理科の裏ワザWチェック問題集』と目的かぶりますが、それぞれの問題集が対象とする子供の偏差値が最低でも5は異なっています。このコアプラスは社会のコアプラス同様、中学受験における基礎学習の最高峰の問題集です。

重要知識と発展知識の二部構成になっていますが、重要知識だけでも大問が660あり、学習を終えるのに結構な日数を要します。難関校向けの発展問題は60問。問題が左、回答が赤フィルで隠せる構成です。解説がほとんどないことから、『受験理科の裏ワザWチェック問題集』をすっ飛ばしてここから始める勉強法はおすすめできません。←これ失敗談 (ヽ´ω`)グッタリ。

ここまでしっかりとやっておけば、その後の文章問題による↑のような問題集もスムーズが学習ができるようになります。

  • 対象: 中学受験を目指す6年生
  • 目的: 基礎的入試頻出問題の制覇
  • 難易度:偏差値50迄の受験対応

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基礎学習(初級):裏ワザテクニックの問題集版

ひと通りの理科の先取り学習が終わったら受験勉強の第一ステップとして使用します。中学受験の理科に出題される基礎的な知識が徹底的に効率よくチェックできる問題集です。一問一答形式なので解説の記載はありませんが、↓に記載した『受験理科の裏ワザテクニック』のP.○○参照といったマークがついており、こちらと併せて使用することで中学受験に出題される理科の基本知識がもれなくしっかりと学習できる構成になっています。

同じ目的の問題集としては日能研のメモリーチェックが有名ですが、赤フィルでかくしてやるスタイルなので分からない問題の答えをいちいち探す必要がなく、効率的に学習をすすめられる点でこちらの方がベター。

また、理科の基礎固めの問題集としては↑のコアプラス同じ目的に使用しますが、両方やるべきです。上の子の勉強を見ていた時にはわかりませんでしたが、基礎の問題集一冊やり切った程度では基礎の実力は尽きません。実際やらせてみればわかりますが、同じ内容の問題であろうと問題集が変われば解けない問題が続出します。手を変え品を変え反復練習をすることで基礎学力が固まったのを確認してからレベルを上げた問題集へ移行する、という勉強法が成績を上げる近道となります。

この問題集を含めて、上述の2冊で中学受験の理科における基礎を徹底的に学習しますが、この勉強法が重要な理屈は以下の通りです。

  • 正解率50%以上の問題を全問正解し、それ以外を全問不正解の時の4教科偏差値は52。正解率40%以上では偏差値62。つまり、偏差値60迄なら正解率40%以上は解けなくても達成可能
  • 正解率60%以上の問題がほとんどできるようになると50%以上の問題に手が付く様になる。50%→40%も4同じ。難易度を2段階一気に上げようとすると必ず失敗する。つまり、基礎を固めずして、応用問題に手を付けても失敗する。

詳しくは『フロントページの勉強法』の部分を参照してください。

  • 対象: 中学受験を目指す5,6年生
  • 目的: 入試頻出問題の演習
  • 難易度:偏差値45迄の受験対応

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理科の中学受験勉強 最初の一冊: 受験理科の裏ワザテクニック

中学受験 理科の勉強法③:必ず解法の説明が詳しい問題集から勉強を始める

本格的な受験対策の問題集では、ある程度の知識があることが前提なので、なぜそうなるの?というロジックが解説されていない場合が多いです。上述の問題集はそのあたりの配慮が一番なされている中学受験用の理科の問題集ですがそれでもまだ子供一人では解説読んでも理解不能なことが多く、親による解説が度々必要となります エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?。

また、小学校レベルの下述の「くもんの集中学習」と中学受験対策の上述の問題集の差があまりに大きく、そのギャップを埋める為に必須の問題集となります。5年生までに「くもんの集中学習」の他に「ウイニングステップ」もやっていれば、そのギャップを感じないで済みますが、サピックスに通っていたうちの子でさえ6年生でここから勉強を始めて得るものが多かったですので家庭学習で中学受験に望む際はこの問題集を活用することを強くおすすめします。

この『裏ワザテクニック』シリーズ、解法が丁寧に説明されており、算数と理科では本格的受験勉強に使用する問題集として、また、その後も「あの問題どうやって解くんだったけ?」という時に参考書的な使い方ができる問題集として、無くてはならない問題集です。「裏ワザ」というタイトルは良い意味でミスリーディングで、中身は塾でベテランの先生が分かり易く子供に授業する内容そのものといった構成です。

上の子は塾で同じような授業を受けていたはずですが、理解が穴だらけでしたので、退塾して家庭学習に切り替えるにあたって、ここからスタートしました。

裏ワザ、続、続々と3冊ありますが、↓のようにそれぞれカバーしている単元が違いますので、3冊とも全部必要です。

  • 対象: 中学受験を目指す5、6年生
  • 目的: 入試頻出問題の解法の学習
  • 難易度:易しい

豆電球と乾電池、浮力、ばね、てこ、かっ車、輪じく、化学反応比、中和体積比、よう解度と比、実験器具、がカバー範囲。

月、太陽、星、金星、消化と吸収、血液循環、セキツイ動物のなかま分け、昆虫、魚の育ち方、植物、がカバー範囲。

磁界、ものの動き、気体、音、光、熱と物質のすがた、気象観測、天気の変化、人の誕生、大地のでき方、環境問題、がカバー範囲。

 



先取り学習: くもんの理科集中学習

中学受験 理科の勉強法②:6年生終わり迄の先取り学習をできるだけ早く終わらせる

問題を解きながら学習できる形式であり、自学用として受験の為の先取り学習に最適。この問題集により小学校で習う理科の範囲を全て終えてから、中学受験用のテキストへ突入します。6年に入る前に終了できていればベストで、最悪でも夏休みの前までに終わらせる事が重要です。

進学塾主催の模試ではこのペースで出題範囲が設定されますので、これよりペースが遅れると模試で大問が1つか2つ全く解けないことになり、そもそも模試を受ける意味がなくなってしまうことに注意が必要です。

  • 対象: 中学受験の5年/全ての6年
  • 目的: 先取学習/学校の授業対応
  • 難易度:易しい

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参考書: わかる!できる!応用自在 理科

中学受験に対応できる理科の参考書は他に『特進クラスの理科』や『自由自在』などもありますが、カラーの多さ、字の大きさなど、一番子どもに抵抗感がない作りになっています。社会と違い、見かけ以外の根本的違いはありません。

練習問題は中学受験レベルとなっているので、学習した最初の段階で解く必要はなし。問題の難易度から『中学入試の最重要問題 理科』を終えた後で、取り組むと良いでしょう。

  • 対象: 中学受験の4年,5年,6年生
  • 目的: 参考書として活用
  • 難易度:普通

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中学受験にも役立った理科と科学のお勧め学習漫画

中学受験 理科の勉強法①:学習漫画を活用し、机の前以外でも勉強できる手段を持つ

理科の学習漫画は新たな単元の学習を始める際の手助けとなり、また中学受験対策として使える必需品。

『ドラえもんの理科おもしろ攻略』と『中学入試まんが攻略BON!』は漫画にして子供に読みやすくした参考書であり、先取り学習や学習事項の復習に役立ちます。

『サイエンスコナン』と『学校勝ちぬき戦実験対決』は中学受験対策として使える漫画ですが、子供がはまる面白さがあります。特には『学校勝ちぬき戦実験対決』理科学習漫画の最高傑作 ( ´∀`)bグッ!。

詳しくは中学受験にも役立った理科と科学のお勧め学習漫画のページを参考にしてください。

 

中学受験の理科の勉強法 まとめ

我が家における中学受験の理科の勉強法における最大の失敗は、易しい問題集から始めなかったこと。初めての中学受験だった上の子では、6年生になった初めて使う問題集に『中学入試の最重要問題』を選んでしまい、ずいぶんと時間を無駄にしました。

難しい問題集から受験勉強対策を始めてしまった理由は、小学4年生、5年生で日能研の受験生向け問題集である『ウイニングステップ理科』を使っていたこと。ウイニングステップでは実際の入試問題も使われていたりしますので、レベル的に『中学入試の最重要問題』に移行するのが自然に思えたからです。

問題集のレベルとしては正しい理解だったのですが、問題は子供が小学4年生に学習した内容など子供がすっかり忘れてしまっていること。「一度やっただろ!」、「良く考えろ!」と言っても出来ないものは出来ない。

下の子は6年生から、受験理科の裏ワザWチェック問題集コアプラスメモリーチェックメモリーチェックという3冊の一問一答問題集を使って徹底的に基礎を固めました。同じレベルで意味あるの?と思われるかもしれませんが、絶大な効果があります。

  • 中学受験 理科の勉強法①:学習漫画を活用し、机の前以外でも勉強できる手段を持つ
  • 中学受験 理科の勉強法②:6年生終わり迄の先取り学習をできるだけ早く終わらせる
  • 中学受験 理科の勉強法③:必ず解法の説明が詳しい問題集から勉強を始める
  • 中学受験 理科の勉強法④:基礎となる頻出問題は確実にマスターする
  • 中学受験 理科の勉強法⑤:同じ様な問題を問い方を変えて2度は学習する
  • 中学受験 理科の勉強法⑥:基礎を固めて後、時間がある限り入試問題にあたる
  • 中学受験 理科の勉強法⑥:遅くとも冬休みから志望校の過去問を解きまくる

6年生から受験勉強を始める場合の注意点

6年生から中学受験の勉強をスタートさせる場合、いきなり中学受験用の問題集から始めてはいけません。『くもんの理科集中学習』による先取り学習を最優先させること。

時間は限られていますが、ここに記載してある問題集を下から順番に使って、基礎固めから始める勉強法が合格への一番の近道となります。

『メモリーチェック 理科』までしっかりやりきり、冬休みから過去問にあたれば偏差値50程度の学校であれば合格レベルに届くはずです (,,゚Д゚) ガンバレ!。