塾に行かずに中学受験合格:小学生の市販問題集 勉強法
初めての中学受験となった上の子は、部活や習い事を頑張り塾に行かずに市販の問題集と参考書を使った家庭学習で中学受験に挑戦し、志望校(四谷偏差値58)に合格。
下の子は御三家志望でSAPIXに通ったもののパッとせず。あまりの酷さに5年の終わりで退塾し、上の子と同じ市販の問題集と参考書を使った家庭学習勉強法に切り替え御三家ちょい下になんとか合格。
中学受験をした2人の子供が小学1年生から家庭学習で使用したお勧めの問題集や参考書を学年別/科目別にやるべき順番に並べ、問題集を使った勉強法を記録に残します。
目次: 学年別/科目別の勉強法と最高の問題集・問題集
6年生 | 5年生 | 4年生 | 低学年 |
算数 | 算数 | 算数 | 理科実験教材 |
国語 | 国語 | 国語 | 3年生の算数 |
理科 | 理科 | 理科 | 2年生の算数 |
社会 | 社会 | 社会 | 1年生の算数 |
受験生の親が読むべき本 | 空間能力把握教材 | ||
歴史の学習漫画 | |||
理科の学習漫画 | |||
国語の学習漫画 | |||
地理・公民の学習漫画 | |||
計算練習問題集 | |||
漢字練習問題集 | |||
文房具 |
塾に行ったら中学受験に成功するか?
中学受験をする95パーセント以上の小学生が塾に通っていて、親は漠然と以下のように考えていると思います。
- 『塾に入れたら成績が上がる』
- 『中学受験するから塾に入れる』
- 『自分が中学受験していないから小学生とはいえ教えられない』
その結果、塾に行っている子供達(と授業料を払う親)のどれくらいが満足いく結果になっているでしょうか?
中学受験をする子供たちは早ければ小学一年生から、遅くても4年生から塾に通いだし、5年生になると部活も習い事もやめるのが普通です。そこまで犠牲にしてなぜ成績が伸びないのでしょう?そもそも小学生にとっては部活も習い事も勉強するのと同じくらい大事じゃないの?と思います。
塾に行かせても成績がちっとも上がらない子供もいますし、家庭学習だけで成績が上がる子供もいます。子供の成績を決めるのは『塾に行っているか?』じゃなくて、『どうやって勉強するか?』が大事です。
初めての中学受験ではお友達のほとんどが塾に通う中、本当に大丈夫か?と凄く不安でしたが、成功に終わった今、良質な市販の問題集や参考書を使い子供の理解に合わせて進める家庭学習勉強法は、部活や習い事を続けながら中学受験にも合格できる最強の小学生の勉強法だと確信しています。
正しい勉強法の一般的なルール
正しいの勉強法には幾つか一般的なルールがあります。
①簡単なこと、基礎から勉強を始めること
小学6年生になってから中学受験対策の勉強しても成果は上がりません。小学5年生でやるべきことを終わっているのが前提です。同じく小学5年生では4年生の勉強なしでは成果は上がらず、これが3年生、2年生、1年生と繰り返されます。
受験生の親が読むべき本で紹介している『落ちたっていいじゃん 逆転発送にこそ難関中学合格のカギがある』という本に「正解率と偏差値の関係」が記載してあります。
曰く、正解率50%以上の問題を全問正解し、それ以外を全問不正解の時の4教科偏差値は52となり、正解率40%以上では偏差値62、正解率30%では偏差値70とのこと。
また、同著の中で以下のようにも主張しています。
正解率60%以上の問題がほとんどできるようになると50%以上の問題に手が付く様になる。50%→40%も40%→30%も同じ。難易度を2段階一気に上げようとすると必ず失敗する。
難しい問題は解ける必要が無くても偏差値70行くのです。焦らず、子供が躓いているところ迄戻って基礎を積み上げる勉強をすれば必ず成績は上がります。
②忘れることを前提に繰り返し学習すること
人間は覚えたことは時間と共に忘れます。初めての記憶を保持できる割合は20分後58%、1時間後44%、1日後26%、1週間後23%、1ヶ月後21%だとか。要するに、普通の人間であれば、翌日迄覚えていられるのは四分の一しかないということです。これを前提に以下のように繰り返し、繰り返し脳に入れる作業をしていくことで効率的に記憶が定着していくそうです。(詳しくは受験生の親が読むべき本で紹介している『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』参照のこと。)
- 新しい内容の勉強を毎日進める
- 学習内容を翌日にテストし、覚えるまで毎日繰り返す
- 覚えた内容は一週間後にテストし、覚えるまで毎日繰り返す
- 一か月後に再度テストし、同じく覚えるまで毎日繰り返す
③質の高い参考書と問題集を使い効率的に勉強すること
大型本屋に行けば小学生向けの参考書と問題集が山ほどおいてありますが、以下の基準を満たした問題集で学習すると効率が上がります。
解説の丁寧な問題集であること
国語も算数も理科も、中学受験を意識した問題集の解説部分は簡潔すぎて、大人が読んで理解できない解説を載せている問題集がほとんどです。そういう問題集を使っているならば、解説が詳しい問題集に切り替えましょう。時間の無駄になるよりましです(←体験談)。理想は小学生が一人で学習できる問題集です。
頻出の解法のパターンをシンプルに学習できる問題集であること
全ての科目に頻出のパターンや問題があります。ここをしっかり意識した学習をしている小学生と漠然と学習している小学生では、『成績の伸び方』に大きな差がでてきます。
ページの見た目がソフトな問題集や参考書から始めること
例えば、小学生向けの有名な社会の参考書として『特進クラスの社会』というのがあります。索引が多く、調べものをするのに必要な参考書ですが、ページが文字で埋め尽くされており、小学生が読んで勉強する参考書としてはおすすめしません(詳しくは中学受験 社会参照)。これは全ての学年の問題集についても同じこと。特に低学年の場合、ページを開いた時の印象がお堅い問題集から勉強をスタートすれば子供が勉強嫌いになってしまうかもしれません。たかが見た目ですが、小学生の学習においては特に大事なことです。
科目別の中学受験勉強法
以下が中学受験を効率的に行うための科目ごとの勉強法です。各科目のページで各勉強法に適した問題集を紹介しています。
国語
中学受験の国語は下記の勉強法⑥までで一気に成績を伸ばすことができます。勉強法⑦以降は真の国語力が問われますので、学習に時間がかかります。
- 中学受験 国語の勉強法①:学習漫画を活用し、机の前以外でも勉強できる手段を持つ
- 中学受験 国語の勉強法②:漢字は頻出を押さえ、時間をかけすぎない
- 中学受験 国語の勉強法④:気持ちを表す単語を知ることが物語文攻略の第一歩
- 中学受験 国語の勉強法③:語彙を増やすことが読解攻略の第一歩
- 中学受験 国語の勉強法⑤:漢字/ことわざ/語句/文法の小問題で確実に点をとる
- 中学受験 国語の勉強法⑥:読解の解き方のルールをしっかり理解する
- 中学受験 国語の勉強法⑦:国語力向上のため、読解問題は最低一日一問やる
- 中学受験 国語の勉強法⑧:時間制限をつけた読解演習を行う
算数
中学受験の算数は下記の勉強法⑤までの基礎学習をどれ程しっかりと身に着けることができるか?、またいつまでに終わらせることができるか?が勝負です。勉強法⑥は終わりのない学習となり、ここにどれだけ時間を投入できるか?で偏差値55からどれだけ成績が伸びるかが決まります。
- 中学受験 算数の勉強法①:算数の問題を解く時間を短縮させる為に計算テクニックを学ぶ
- 中学受験 算数の勉強法②:6年生終わり迄の先取り学習をできるだけ早く終わらせる
- 中学受験 算数の勉強法③:必ず解法の説明が詳しい問題集から勉強を始める
- 中学受験 算数の勉強法④:頻出問題の解法を身に着ける
- 中学受験 算数の勉強法⑤:同じ様な問題を問い方を変えて2度は学習する
- 中学受験 算数の勉強法⑥:基礎を固めて後、時間がある限り入試問題にあたる
理科
以下の勉強法に沿った問題集をこなしていけば一番楽に受験勉強が終了する科目です。国語や算数より入試の点数配分も低いので、理科でさらに時間を割くより、国語や算数の勉強時間を増やした方が合格に近づきます。
- 中学受験 理科の勉強法①:学習漫画を活用し、机の前以外でも勉強できる手段を持つ
- 中学受験 理科の勉強法②:6年生終わり迄の先取り学習をできるだけ早く終わらせる
- 中学受験 理科の勉強法③:必ず解法の説明が詳しい問題集から勉強を始める
- 中学受験 理科の勉強法④:基礎となる頻出問題は確実にマスターする
- 中学受験 理科の勉強法⑤:同じ様な問題を問い方を変えて2度は学習する
- 中学受験 理科の勉強法⑥:基礎を固めて後、時間がある限り入試問題にあたる
- 中学受験 理科の勉強法⑥:遅くとも冬休みから志望校の過去問を解きまく
社会
入試の点数配分も低いにも拘わらず、長い勉強時間が必要な教科です。勉強法④以降は社会を一教科ととらえず、地理、歴史、公民をそれぞれ別な教科とし、平行して勉強の時間を取る必要があります。また、学習漫画の活用が歴史で大きな威力を発揮します。
- 中学受験 社会の勉強法①:学習漫画を活用し、机の前以外でも勉強できる手段を持つ
- 中学受験 社会の勉強法②:勉強の効率を最大化する
- 中学受験 社会の勉強法③:6年生終わり迄の先取り学習をできるだけ早く終わらせる
- 中学受験 社会の勉強法④:基礎となる頻出問題は確実にマスターする
- 中学受験 社会の勉強法⑤:同じ様な問題を問い方を変えて2度は学習する
塾なし家庭学習で中学受験の体験談
我が家には2人の子供がおり、2人とも塾なし家庭学習で中学受験に挑戦しています。2人とも稀にいるような天才ではなく普通の子供ですので、このHPで紹介している勉強法にそって問題集を進めていけば、四谷大塚偏差値で58程度の学校には合格できる力が付くはずです。それぞれ以下のような紆余曲折はありましたが。。。
上の子の体験談:初めての塾に行かずに中学受験
親が両方とも中学受験をしていないので、『たかが中学受験だろ?』と思いっきりなめてました。塾には行かせずスイミング、サッカー部、ピアノと部活や習い事は盛りだくさん。5年後半に初めて受けた四谷大塚合否合判定予備テストで37という聞いたことがないような偏差値を見た時に、初めて中学受験の厳しさに気づきました。 \(^o^)/オワタ
『子供がアホなのでは?』と思われるかもしれませんが、一年生の時からそれなりに意識高く1年生のおすすめ問題集からそれなりの勉強をやってましたし、4年生になってからは中学受験を意識しながら4年生が使うべき問題集の幾つかもやらせていたのでアホではない確信はありました。いろいろ考えた末の原因はいかのようなものです。
- 基礎も固まらないまま、難しい問題集ばかりをやらせていた
- 中学受験を目指す小学生は4年生から本格的な受験勉強をスタートしているので出遅れた
- 中学受験をする小学生しか模試を受けないため、母集団のレベルがそもそも高い
問題集をみなおし基礎を固める問題集から受験勉強を再スタートさせ、何度も反復練習するよう勉強法も見直し、親子ともども気合を入れなおして、小学6年の4月から本格的な中学受験の勉強を開始です。成績はじりじりと上がったものの、周りも必死にやっているので急上昇などはなく、さすがに6年生の10月には部活も辞めて勉強に専念しました。最後まで8時間の睡眠時間を死守したこともあって、最後の合否合判定テスト(12月)でも志望校の「合格可能性」は20%のまま。
冬休みに入ってからはいろいろな学校の過去問を解いて学校毎に合う合わないを判断して受験校の組み合わせを決め、ひたすら第一志望の模試を解かせまくりました。
2月2日に風邪をひいて寝込むというトラブルにも見舞われましたが、偏差値58の私立中学と偏差値53の都立一貫校に2013年めでたく合格!!! キタ━(゚∀゚)━!
中学受験の為の勉強を遅れてスタートさせた子が常に低偏差値となるのは当たり前。大多数が塾通いの中、一人家庭学習で中学受験を目指すのですから素人の親としては相当なプレッシャーがありましたが、やるべきことを効率的にやれば一部の難関校を除き、子供の小学生生活の犠牲の上に成り立つ受験勉強など不要だと確信しました。
下の子の体験談:サピックスを辞めさせての家庭学習勉強法へ切り替え
上の子で編み出した必殺の勉強法を下の子にも適用しようと思っていたのですが、下の子はなんと御三家を希望 (゚A゚;)ゴクリ。家庭学習勉強法で合格を請け負えるようなレベルではなく、4年生からスパルタ式にビシビシいかないと手が届く範囲でないことは真面な大人なら容易に判断がつきます。
家庭学習だけで乗り切れるのはせいぜい偏差値60ぐらい迄だというのが上の子の中学受験を通じての感覚。今回は超難関校狙いということで、超難関校に強いサピックスにに入れました。
ところがサピックスでの結果は全く期待値以下。確かに進学実績はすごいのですが、そもそも死ぬほど勉強やる超難関校志望の小学生が進学実績に釣られて集まって来ている進学塾です。普通の子が普通に勉強して高い偏差値を叩き出せるように面倒みてくれる塾ではありません。
惨いことにテストのたびに成績順でクラス替えがありますので、成績の悪い子供は小学生の子供が持つ必要のない劣等感を自然と持つようになってしまいます。うちの子はいくら勉強しても屈辱的な偏差値が続いたことでテストの度に悔し泣き。さすがに見過ごすことができず、塾をやめさせて上の子で成功した家庭学習の勉強法に切り替えました オセェヨ( ゚д゚)、ペッ。
サピックスに行かせて良かったのは社会を除いては5年生の終わりまでに一通りの中学受験の勉強が終わっていた点。悪かったのは、学習進度が早すぎて中学受験頻出の基礎問題さえ真面に解けないという点。
結局、100%塾なし家庭学習だった上の子が使った中学受験向け問題集を一からやらせてレベル的には丁度良いことが判明。上の子に比べると一学期分学習の進度は早いですが、4年生から本格的に中学受験の為の勉強に費やした効果としては非効率すぎて涙がでます。。。
ということで現在2度目の塾なし中学受験に挑戦中です \(^o^)/ガンバレー。