中学受験における偏差値の伸び方

我が家での家庭学習による中学受験の体験を通して偏差値の伸び方について伝えたいことは以下の2つです。

  • 6年の始め時の偏差値より10上の学校でも全然手が届く。
  • 偏差値はリニアに伸びない。後半一気に上向く。

とはいえ、我が家の2人の子供ともそれぞれ地獄のような局面もありましたので、中学受験はすんなり合格できる程生易しいものではありません。我が家の事例から『やるべきことをやれば偏差値は必ず伸びる』、『2月5日を終えるまであきらめない』事が重要だと感じてもらえればと思います。

 

家庭学習100%だった上の子の偏差値の推移(39→58)

周りの子供が中学受験が多く子供が中学受験したいといってくるも、『小学生の頃から勉強ばっかりでどうするの?』と思い、塾にいかせず部活や習い事と両立させながら家庭学習のみで中学受験に挑戦。偏差値37からスタートし、最終的には偏差値58の学校に合格できました。

 

合不合判定予備テスト一回目(4月) 偏差値37

家庭学習による受験対策は4年生からしていたものの、初めての体験ということもありどの問題集を使えばよいかもわからず。とはいえ初めて受けた模試の結果が見たこともない偏差値で絶句。今となっては、これは経験値の足りなかった親の責任だったとわかります。

 

合不合判定予備テスト二回目(7月) 偏差値43

算数偏差値50(10アップ)、国語偏差値39(6アップ)、理科偏差値45(5アップ)と大躍進。問題集を紹介しているページを見てもらえれば分かりますが、5年生までは中学受験の学習範囲を一単元ずつ前に進める学習となりますが、6年生からは一旦すべて終了した学習範囲を『中学受験』用に勉強しなおす問題集となります。例えば算数だったら裏ワザテクニックをその一番最初の問題集として使ったりとか。この『中学受験』用に勉強しなおす学習を始めたことで偏差値が上がったと思います。また、偏差値が低ければ低いほど直ぐに偏差値が上がるいい事例。

 

合不合判定テスト一回目(9月) 偏差値39

頑張った夏休みの成果が全く出なかった。。。今になって思えば我が家では国語力アップのために『天声人語』の書き写しをさせたりして全くの無駄な時間を使った一方、ライバルである塾通いの子供はそういうくだらない時間の使い方をしなかったのでしょう。

初めての中学受験だったので子供にやらしていることに確信も持てず、ここが親のメンタルのボトム。何が間違っているのか研究すべく、『中学受験 親の心得とストレス管理』に載せてあるような本を読み漁り中学受験について研究しました。

 

合不合判定テスト二回目(10月) 偏差値45

偏差値が戻ってほっと一息。国語の偏差値が9アップ、理科が7アップしたのが大きかった。一方、大事な算数の偏差値は39→40と引き続き低迷。二回目の中学受験となった下の子の時もそうですが、算数の偏差値は一冊の問題集をやっただけではあがらず、同じような問題集もやって問題が変わっても必要な解法を適用できるようにならないと伸びません。この時はそんなことは知らず、ただただ『なんでこんなにやっているのに算数の偏差値が伸びないんだ?』と悩むのみ。

 

合不合判定テスト三回目(11月) 偏差値45

偏差値39→45にアップした勢いでさらに続伸と思っていたのにこの結果には失望。家庭学習では無理なのか?と引き続き苦悩。2人目も経験した今ならわかるけど、夏休みや冬休みと違って学校に行きながら勉強するこの時期に偏差値の上昇を期待しすぎてはダメ。志望校をそろそろ決めるべきこの時期に、一応目標としていた学校の合格可能性は最低ランクの20%以下。

 

合不合判定テスト四回目(12月) 偏差値46

この最後の4回目における志望校の合格確率も20%以下と変わらず。親としては流石にこれはダメだろうと感じるものの、志望校以下の学校ならわざわざ私立中学に行かす意味がないと始めから考えていたので、全くブレることなく受験勉強を続行させた。子供のファイティングスピリッツが全く衰えていなかったのが結果として良かったと思う。単にこの結果が何を意味しているのか実感をもって理解できていないだけだったろうけど。

冬休み以降に志望校の過去問対策を開始。全く届かないところから、受験直前には二回に一回は合格者最低点をなとかクリアーできる状態で本番に突入。結局偏差値58の学校に合格できた訳だけど、以下がポイントだと思う。

  • 学校に行かなくてよい冬休みが追い上げに有効に働いた。
  • 中学入試本番1週間は学校を休み勉強できたことが更に効いた。
  • 受験校を極限まで絞り込んだことで、志望校の過去問対策に打ち込めた。
  • 自分が間違えたところを徹底的に勉強できるのが家庭学習の強みであり、後半になればなるほど効率よく出来ないところを潰すことができた。

 

本番 志望校合格 偏差値58

本番は幾つかの不合格を乗り越えながら最終的には志望校に合格!志望校の他にも数日しか対策しなかった公立一貫校にも合格(『東京の公立中高一貫校に合格する為にしたこと』参照)。それとは対照的に塾に行っていた同級生の多くが全滅、もしくは「塾に3年間いっていたのにそこ?」という結果を見るにつけ、やっぱり塾なんていい加減なもんだなーと思いました。



 

下の子の偏差値の推移(50→御三家のちょい下の学校に合格)

上の子の中学受験の経験を通して家庭学習のテクニックを磨き上げ、相当な自信があったのに下の子の『御三家』受験宣言を受けてあっさり陥落。上の子の時には視界にも入らなかった『御三家』は家庭学習じゃ無理でしょと塾に丸投げしてしまったのが失敗の始まり。。。

 

4年~5年(サピックス時代)

試験の都度大きくブレるものの偏差値は41~48あたりで低迷。サピックスの偏差値は四谷大塚より5-8程度下に出るとはいえ家庭学習100%で合格した上の子の学校の偏差値より低いという情けない状況。こんな偏差値だったら家でやった方が良いと子供を諭すものの、プライドが邪魔して『塾でもっと頑張りたい』とダラダラと低偏差値のまま2年も引っ張ってしまいました。この時点で御三家への挑戦はあきらめ、そのすぐ下の学校に志望校を切り下げたものの道のりは果てしなく遠い。。。

 

日能研全国模試(5月) 偏差値53

5年生の末にサピックスを退塾し、初めてサピックス以外で受けた模試。サピックスでは40台だったものの、他塾より低く出ると知っていたので、まあこんなもんかという感じ。

 

合不合判定テスト二回目(7月) 偏差値51

試験の度に偏差値はブレるとはいえ、成績の向上はみられなかった。子供は家庭学習に切り替えても伸びない成績に焦っていたけど、上の子の偏差値の伸び方を見てきたので、親としては全く余裕。自信を持ってこのHPにのせてある問題集を一つずつクリアーさせていった。

 

合不合判定テスト三回目(9月) 偏差値53

夏休みに勉強したのに4教科合計の成績が左程上がっていなくてちょっと残念。でも集中的に勉強した算数の偏差値は5伸びたので手ごたえは感じた。その分社会と理科が大きく下がったが、これらの教科は短い期間で挽回できるだろうと思ってました。算数はそういう訳に行かないからこの結果はしょうがない。

 

合不合判定テスト四回目(10月) 偏差値51

えっ、成績下がるの???という感じ。苦手だった国語の偏差値が57まで伸びたけど、算数の成績が元に戻ってしまった。。。このタイミングで偏差値が上がるどころか下がってしまったのは厳しいけど、上の子の経験があるので『やるべきことやっていればなんとかなるでしょ』、と精神的にはまだまだ余裕。

 

合不合判定テスト五回目(11月) 偏差値56

成績が急激に上がり出すポイントを漸く通過した感じ。例えば算数だとプラスワンの繰り返し学習が終了したあたり。

上の子で一度経験している親はやっと見えてきたか、、、と安堵しただけですが、初めて中学受験を経験する子供は今まで2年半以上受験勉強をしてきて、初めて手ごたえを感じたようで俄然やる気が出てきました。

 

合不合判定テスト六回目(12月) 偏差値57

偏差値は少しだけ続伸。だけどこの最後の模試で御三家チョイ下の志望校の合格可能性は35%。子供が四谷大塚の模試を受けている時に先生が話してくれる話によるとこの段階で一度合格圏内に入っていない場合は志望校を見直すべし、とのことだったけど、上の子は合格可能性は20%以下から合格してるし、偏差値も登り調子だからなんとかなるだろうと冬休みに突入。

 

入試直前 偏差値63(予想)

以下が御三家を受ける受験生の滑り止め校でもある志望校Aの過去問をやったときの成績の推移。黒線が「4教科の合計点数÷合格最低点数」の推移で各教科は「獲得点数÷合格平均点」。最初の2回は合格点を10%下回っていましたが、1月に入ってからは10%以上上振れで1月18日には20%もオーバーしました。

そこで急遽、御三家に並ぶ偏差値で、かつ入試問題の傾向が志望校Aと最も近い学校にも挑戦。傾向が近いだけあって相性ばっちりで難なくクリアー。

ここまでくればサピックスに入れるきっかけとなった元々の志望校である女子学院を目指そうと入試前月の1月になって女子学院を再度志望校に設定し直し。女子学院は最低合格点を公表していないので合否の可能性はなんとも言えないものの、入試直前で挑んだ過去問は2つとも正解率80%だったのでここまでくれば初日で決まるだろうと安心していました。

親も子供も予想だにしていなかった程急激に成績が伸びたのは以下が良かったと思います。

  • 学校に行かなくてよい冬休みが追い上げに有効に働いた。
  • 中学入試本番2週間は学校を休み勉強できたことが更に効いた(上の子で1週間休んだのが効いたのでさらに一週間積みました)。
  • 志望校を2度切り上げたが、すべて入試の傾向が似ている所から選んだ。
  • 自分が間違えたところを徹底的に勉強できるのが家庭学習の強みであり、後半になればなるほど効率よく出来ないところを潰すことができた。

 

中学入試本番 御三家の滑り止め校に合格

中学入試本番は2月1日からまさかの連戦連敗。2月5日の最後の志望校A(志望校を切り上げる前の志望校)の合格が唯一の白星。急に何が狂ったのかは『避けるべき中学受験における失敗と教訓』のページをを見てください。

長らく志望校としていた学校には無事合格できたんだけど、もっと上が見えていただけにめっちゃ残念。偏差値37から始めて過去問でも二回に一回しか合格最低点が取れなかった上の子が合格したときは、奇跡が起きたレベルに感じて大喜びだったんだけどね~。それでも塾を辞めさせて偏差値53からここまでこれたのだから十分成果は出たと思う。

余談だけど、嬉しい合格を勝ち取った上の子と、悔しい合格となった下の子では中学生活における勉強への意気込みが全く違って、興味深いです。最小の努力でギリギリ合格できた上の子は自分の能力を過信するあまり中学ではクラスで下から2番目の成績。本当はもっと上の学校に行けたはずなのにと感じた下の子は悔しさを糧に中学では上位に食い込めています。もし全滅だったら、高校受験でトップ校受かるほど頑張るんだろうなと思います。